Espresso系アレンジドリンクに欠かせない『スチームドミルク』
Espressoマシンのスチームワンドで、専用のミルクピッチャーを使用して作成します。
ミルクスチームの手順は以下の通りです。
- ミルクピッチャーの1/3~1/2の範囲内で、冷やした牛乳をいれる。
- 厚手の布巾などで覆ったスチームワンドを空吹かしし、管内で結露している水を抜くと同時にワンド自体をあたためる。
- スチームノズル(蒸気孔)をできるだけミルク液面に近づけて、細かい泡を必要量とりこむ。
- 含んだ空気の泡を可能な限り細かく砕くため、スチームノズルを深く沈めてミルクピッチャーの側面を利用し攪拌させる。
- 牛乳の成分(タンパク質)が変質しない様、65℃以下の好みの温度になったら攪拌を終了する。
- 攪拌終了後すぐに厚手の布巾などでワンドを覆い、空吹かしして管内に残っている牛乳を完全に抜き取る。
- ミルクピッチャーの底を台に軽くうちつけ、砕き切れなかった粗い泡をつぶす
- ミルクピッチャーをゆすり中のミルクを回して、泡とミルクをよくなじませてから注ぐ。
*最も一般的に使用される左から、20㌉(約600ml)と12㌉(約360ml)ミルクピッチャー
一連の流れは以上の通りですが、シンプルなだけに奥が深すぎます。
特にラテアートに挑戦する方は、壁にぶつかった経験が必ずあると思います。
『いつもの様にやってるのに上手くいかない。(マシンが)壊れてるのかな?!!』・『ミルクピッチャーがよくないのかな?!!』と疑心暗鬼になりがちですが、ほぼ人間側の問題の場合が多いです。
特殊なものを除いては、ラテアートの失敗の原因の殆どは『ミルクスチームが上手く行えていない』ことに起因します。
基本原則は、スチームノズルの蒸気孔がミルク液面から
- 近いほど(蒸気孔がミルク液面から出るか出ないかの状態) ⇒ 細かい泡がつくられる
- 遠いほど(蒸気孔がミルク液面に浸かっている状態) ⇒ 粗い泡がつくられる
というシンプルなものです。
一気に空気を含ませて攪拌に時間をかける方法・攪拌しながら少しづつ空気を取り込む方法…と様々です。(マシンのスチームパワーなどにもよりますが、65℃以下に抑えるためスチーム総時間は約15秒ていど)
ミルク液面に対して垂直方向に固定したノズルの見え方の認識画像を固定
自分にあった方法でコツが掴めるまで何回も何百回も繰り返し練習するしかありません。
ノズルを深く沈めて徐々に上げていき、『音』と『感覚(ノズル位置)』で空気を取り込む方が多いようですが、私は『目視』と『感覚(時間・音)』で一気に取り込み、攪拌に時間をかけて細かく砕く方法で行っていました。不安定に上下しているミルクの液面で蒸気孔が出るか出ないかのピンポイントをあわせるより、静止している液面の方が簡単だと考えたからです。
その為、見え方によって蒸気孔の位置が変わらない様に
- スチームワンドの方向・位置の固定
- 自身の体の向きを固定
- ミルク液面に対して垂直方向に固定したノズルの見え方の認識画像を固定
を意識して、何百回と失敗を繰り返し自分の『スチームドミルク』を完成させました。1度使用したらやり直しが効かないミルクスチーム!牛乳風呂に何回も入れる位の牛乳は無駄にしました。
正解はありません。
『コツ』を掴んで、練習で『熟成』させ、体に滲み込ませる以外の方法はありません。
自身にあったそれぞれのやり方で、理想とする『“とろん”として“なめらか”で“艶がある”』シルキーなスチームドミルクがつくれれば問題ありません。
理想のスチームドミルクが完成すればアレンジドリンクは、Espressoと混然一体となりミルクの自然な甘みが強調され、口当たりがなめらかな極上のカップに仕上がります。
真剣にミルクスチーム中の店員さんはには、話しかけない様にしてあげてくださいね。
味しい1杯を『あなたのために』作成しています。
(*現在は喫茶営業は行っておりません。)