Espressoは専用のマシンで、9気圧前後(≒60㎏前後の力)の圧力をかけてCoffeeの旨味成分のみを凝縮して抽出します。そのためマシンの抽出口に、専用の器具『ポルタフィルター』(抽出口がついたホルダーと金属製のフィルターがセットになった器具)をシッカリと固定して密着させます。

金属製のフィルターを通すため凝縮したCoffeeの旨味成分が、フィルターに吸収されず余すところなく抽出されます。実際に抽出されたEspressoは、30ml前後のCoffee液の中に『酸味・旨味・甘み・アロマ・ボディ』などを存分に含み、飲み終わった後もアフターテイストとして、しばらく口から鼻へアロマ感たっぷりに包まれます。

ポルタフィルターは1杯用(シングル)・2杯用(ダブル)・3杯用(トリプル)など数種類ございます。ここでは把握している1杯用(シングル)・2杯用(ダブル)についてご説明いたします。

抽出口が1つのものが1杯用で、2つのものが2杯用となりますが、Coffee粉を詰める金属製フィルターの形状や深さがそれぞれ異なります。微小な孔がたくさんあいており、その孔を通してEspressoは抽出口からカップへと注がれます。

*(左から)2杯用(ダブル)フィルター&ホルダーと1杯用(シングル)フィルター&ホルダー

 

一般的にEspresso1杯分のCoffee量の目安は、6.5g~10gと言われています。

求める風味(味)・使用豆・焙煎度合い・Espressoマシンの性能など、様々な要素が連動するため数値での表現ではそうなってしまうのは理解できますが、30ml前後のCoffeeに3.5gもの幅があっては目安にはなりません。

また2杯分の目安は、単純に1杯分の2倍の量とされておりこちらも目安にはなりません。

『Coffeeに決まりはない』・『理想のEspressoの風味(味)・抽出ライン』を念頭に、考えうる全てのパターンを実践して私は

  • 1杯用 ⇒ 10g~11g
  • 2杯用 ⇒ 19g~20g

と目安を設定しました。(目指す風味は人それぞれなので、参考にはなさらないでください。)

特性として、抽出スピード(時間)において1杯用(シングル)では抽出が安定しません。そのため安定する2杯用(ダブル)しか使用しない店舗も多数ございますし、国際大会でも2杯用(ダブル)での審査しかございません。

私は1杯用(シングル)専用のドーシング量(詰めるCoffee粉の量)を設定して対応し、1杯用(シングル)も使用しておりました。2杯用(ダブル)で抽出したEspressoの風味(味)と厳密にいえば異なるのでしょうが、安定した抽出ラインを描いてカップに注がれたEspressoに品質の劣化は感じませんでした。

たびたび申し上げる『Coffeeに決まりはございません』

を泣きたくなるような実践とともに、Espressoだけではなくネルドリップやペーパードリップをはじめとするその他の抽出、焙煎にいたるまで実感させてくれる貴重な経験となりました。

みなさんもご自身だけのベストカップ見つけてくださいね。
(*現在は喫茶営業は行っておりません。)