それぞれの豆に適した焙煎度合いは大きく分けて8パターンに分類される事は先に述べた通りですが、表面の『色』(=目の判断)だけでその状態を把握できるものではありません。

『目(視覚)・鼻(嗅覚)・耳(聴覚)』で、その豆の最適な焙煎度合いを探っていきます。

  • Coffee豆の成分は熱が加えられ変質し、同時に味も変化する事。
  • 浅煎りではクエン酸・アミノ酸が作られる為、『酸味』が強くなる傾向がある事。
  • 深煎りでは糖質が焦げて『苦み』が強くなる傾向がある事。
  • 上手に焙煎されたCoffeeは、大きく膨らんで表面にしわがなくツヤツヤとして色が均一である事。

を念頭においたうえで、

  1. 目(視覚)による判断で、豆表面の『色・ツヤ・のび』を随時確認します。
  2. 鼻(嗅覚)による判断で、進行度合いによる『香り』の変化を随時確認します。

 
ただ1.、2.ともに感覚的な基準で、人によって異なるものでもあり、この2つの要素のみでは『再現可能な焙煎コントロール』は不可能です。

それを補完するのが3.耳(聴覚)で確認する『ハゼ』となります。

『ハゼ』とは豆が膨張・収縮してはじける音の事で、焙煎を進めていくと必ず2回訪れます。

1回目の『ハゼ』は、力強い『パチパチ』という音で、断続的に数分間しばらく続きます。

2回目の『ハゼ』は、連続した『ピチピチ』という音で、数分間しばらく続きます。

明らかに異なる音なので、聞き分ける事は容易です。

1ハゼ・2ハゼともに数分間しばらく続くのは、先にも述べた通りCoffeeは農産物で、表面的に均一に見えても、厳密にいえば成熟度はまばらな為です。

468 SiMBA Coffeeでも各使用豆ごとに焙煎プログラムを組立てておりますが、焙煎において必ず訪れる『ハゼ』は、1.目(視覚)、2.鼻(嗅覚)とあわせて重要な判断材料の1つとなります。

一般的な目安としては、1ハゼが終了した時点が「ミディアムロースト」、2ハゼのピーク(断続的な音が1番大きく激しく聞こえる時点)で煎りあげれば「フルシティロースト」と認識されています。

先に述べてきたCoffeeの基礎的な知識も踏まえて、以上の様な判断基準で使用豆の個性を最大限引き出せるベストポイントを探っていきます。

目指す風味・判断基準もその焙煎士(Roaster)によって千差万別。

自家焙煎店のCoffeeの風味は、たとえ同じ豆・焙煎機を使用していたとしても1つとして同じものはありません。