ネルドリップとペーパードリップの違い

基本的な抽出方法・Coffee抽出の原則は、どちらとも同じです。

ネルドリップの簡易版(≒現代版)がペーパードリップと考えて頂いて問題ありません。

 

 

『ネルドリップでいれたCoffeeはよりまろやかになる』と言われたりします。

その理由は、Coffeeドーム(Coffee濾過槽)がペーパードリップに比べて厚くなるため蒸らしが十分に効いて、濾過スピードが均一でばらつきのない味に仕上がる為だと言われています。

ネルドリップ(片毛の綿布)の場合はドリッパーが不要なため、『蒸らし』時にお湯で圧された空気がどこからでも抜け出せ、お湯が滲みてくると布(ネル)そのものが皮膜となって保温し十分な蒸らし効果が得られます。

推奨されている湯温もペーパードリップより5度ほど高く90度前後とされています。

 

このネルドリップの特性をペーパードリップで再現するためには、Coffeeの分量や湯温・抽出時間を厳密に計測することで補わなければなりません。

 

プロ好みの抽出方法と思われがちですが、Coffeeの抽出に関しては濃度調節も簡単で、失敗も少なく扱いやすい、むしろ初心者向けの方法だと言えるかと思います。

 

*画像はイメージです。本来はCoffeeサーバに抽出してからCupへ注ぎます。

 

ではなぜ進化版がペーパードリップで、ネルドリップがあまり見られなくなったのか?!

ネルフィルター自体の下準備と衛生管理の手間に関係しています。

 

①新品のネルフィルターは必ず煮沸して使用する。

(生地に糊が付着しており、場合によっては蛍光塗料・漂白剤が付着しているため)

 

②使用前・後は必ず水洗いし、水を張った容器にいれ、冷蔵庫に保管する。

(洗剤洗い・天日乾燥は厳禁。乾燥させるとネルに滲み込んだCoffeeの脂肪分が酸化し、異臭を放つため)

 

③ネルフィルターの使用頻度により抽出スピードが変化し安定した抽出ができない。

(使いはじめは早く落ちうまみを十分に抽出できず、目が詰まった使い終わりでは抽出が遅すぎて余計な雑味が加わってしまうため)

 

以上が大きな理由です。

これらの点を簡素化し、ネルフィルターの簡易版(現代版)としてペーパードリップが主流となっています。

 

ただネルドリップの創りだす風味(味)はやはり独特で、ネルを極めてネルでしか表現できない1杯にこだわるCoffee好きのファンの方は多数いらっしゃいます。

468 SiMBA Coffeeでも5年間の喫茶営業時は、ハンドドリップCoffeeはネルドリップで提供させて頂いておりました。

上記①・②の煩雑さは問題では無かったのですが、③に関してはカップテスト用で数回慣らしてから、通常の抽出スピードが保てなくなったら交換のサイクルで対応しておりました。

 

ご家庭で、ストレスなく楽しむには!

468 SiMBA Coffeeでは、『ペーパードリップを極める』ことをお勧めいたします。

 

ネルフィルターの手間もさることながら、冷蔵庫の中にこぼれ易い水容器が常備されているのはご家族も含めてストレスとなりますし、喫茶営業の様に使用頻度が多ければ良いのですが、ご家庭では費用対効果が悪すぎます。(使用しなくても、毎日水を変えないと劣化が進行し目が詰まってきます。)

 

ペーパードリップを極めて、ネルドリップでは表現できない風味(味)の追求も十分に可能です。

 

どちらが良い悪いの問題ではございません。

手間も含めて楽しめるかどうかだと思います。

 

ご自身のスタイルで楽しんでくださいね!